チョコレート屋なんだもの
今日は1月31日。あと二週間でバレンタインデー。
そう、世の中バレンタイン商戦まっただ中。
百貨店はじめ、いろんなところでバレンタイン特設販売の催しがあってる。大型店だけでなく、スーパー、コンビニも。
そして、大手メーカーもバレンタイン仕様のパッケージにしてたり。
お菓子屋さんや、直接チョコに関係のないお店でも、バレンタインにかこつけて商品だしたり販売スペース設けたり。
そう、うちもチョコレート専門店。
しかもカカオ豆から作ってる、正真正銘のチョコレート。
だから、今、この寒いチョコレートシーズンの時に、しっかりと売って利益をあげないといけない。
わかっちゃいるけど。
昨年ひびきのにあったお店兼工房兼カフェを立ち退きになり、5月からこの小さな工房でチョコを作り続けている。
当然ずーっと赤字。
シーズンオフだから、というのもあるけど
ここでどうやって利益をだせるか、いろいろ考えて、相談して、試して、
スタッフも以前のお店では一時期8人でやっていたけど、今は2人。
今はさすがに手が足りなくなって、学生バイトちゃんたちが応援に来てくれるけど。
だからなんでもかんでも自分でやらなきゃならず、時間が足りない。休みなんてとったこともないし、引っ越ししたのに1日家にいたこともない。
一番やりたいワークショップもできずにいる。
今日、1月31日。
チョコロンブスを始めて、実は一番ゆるっとしているような。
製造のスタッフさんはお休みだし、HPで水曜日を定休日にしてるし、雨なのでお客さまも来られない。
昨日はいろいろ製造したり、ローストしてハンドピッキングして、メランジャーにかけるまでやったりと慌ただしくしてたけど、
今日は製造しないことにしたので、工房もエアコンつけてないし。
やることはいっぱいある。
だけど、ちょっと一休みしよう。
そしたら思うことブログに書いとこうって思った訳。
子どもの頃から、バレンタインってあったんだから、今更言ってもしかたないし、変わることはないと思うんだけど。
なんだか、このバレンタイン商戦ってのに違和感がある。
ここぞとばかりにじゃんじゃか商品を生み出して、広告やらであおって、お客さまが購入して。。。
知り合いのフードロスの会社で、この業界で有名なところのチョコサンドクッキーが入荷したって以前アナウンスがあった。
東南アジアの農家さんから直接カカオを仕入れてサステナブルをうたっているのに、そんなに売れ残りをだしていたなんて、かなりショッキングだった。
バレンタイン用に作られたチョコだけでなく多くの商品は、機会損失をなくすためにきっとたくさん作られているんだろうから売れ残りも当然なのか。
いや〜、自分の手で1から丹精込めて作ったものを廃棄するなんてありえない。
これが工場で機械が作る商品だから、とか、製造と営業、販売がそれぞれ別だったりすると思い入れもあまりなかったりするのかな。
よくないよね、と勝手に心配。
事業を続けるためにも、しっかりと利益をだしていかないといけない。今もまだ以前のお店での返済もあるんだし、スタッフさんにもお給料払わないといけない。
ずっと赤字なんだから、今こそ何がなんでも作って売りまくって、とにかく粗利を作ないといけない。
でもなんだか気持ちがのっていかない。
そのために、なにかおそろかにすることが出てくるんじゃなかろうか。
以前は商品だけでなくカフェもあったから、毎日のようにお客さまと接していたけど、さすがにここに移転してからは、わざわざ来てくださるお客さまはそう多くない。
だからこんなこと考えるようになったのかな。
卸先さまへの納品もほぼ終わったし、チョコロンブスの価値を伝えてくださる卸先さまばかりなので、ほんとに感謝している。
さて、次はいよいよ自社でバレンタインの準備、、、なんだけど。
おそらく来週末の10日〜12日にバレンタイン用としてお買い求めになるのだろうけど。はたして本当にお客さま来られるのかな、という心配も。
2月も売り上げ立たなかったら、いよいよ厳しくなるという不安もあれば、そうなったらなんとかなる(すればいい)という先延ばしも。
昨日来られたお客さま。
「会社で8セット必要なんです。今から博多に持って行くんです。
アマンド缶は必ず入れて、あと昨年あったナッツとかいろいろのったの、あれくらいのをセットにしてと言われてきました。」
むむむ、昨年は宝石箱というのを確かに作っていた。でも今年は作らないことに決めたのでない。
そしたらと、今ある商品でご提案。
結果アマンドショコラ缶と、ミニチョコ3枚のスペシャル(ザ・リッツ・カールトンに納品してるのと同じの)をセットにすることに。
先様に持って行くのに、地元でこだわって作られたものをということで、うちを思い出してくださったことに感謝したのでした。
そう、そうありたい。
ここぞ、という時に使っていただきたい。
うそのない、ほんとにカカオ豆から添加物を使わず、手間ひまかけて作ってるんだから。そう、チョコロンブスはまじめなチョコレート。
そして、それで事業が回るようになりたい。
じゃないと、うちみたいなクラフトチョコレート屋さん、やっていけない。
少し前に、ある人に相談した。
そしたら外注使って大量に作って大量に売るしかないでしょう、と言われた。
確かにそうなんだけど、ワクワクしない。
それは、まず自分が作ったと言えないこと。
そして、外注はものすごい大量ロットになるので、それを売らないといけないという不安。
さらに機械で作られると、どうしても品質は低下しそう(憶測)
なぜ低下すると思うかというと、私、よく製造中に会話してることに気づくことがある。
あれ、今日はなんだか酢酸?ちょっと酸っぱいね。
わー、すごくなめらか。シルクみたいじゃん。
おっと、どしたん、こんなにもったりして。寒い?
わっ、ぴっかぴか。きれいね〜。
今から帰るけど、夜通しがんばってね。おつかれさま。
こんな感じ。
要は極小量で作るから、全ての工程にしっかり目が行き届いて、その時その時で対処できてる。
実際数年前に外注先を見学させてもらったことがある。いろいろ有名店やメーカー商品を作られているとこ。もちろん外注するならば、の話もしたけど、まったくもって量のレベルが違ってた。
ビーントゥーバーチョコレートってめちゃ粘度が高いので、マシンは詰まるからできないと言われるのが多い。製菓用チョコじゃないので。
そういうの、わかっていながら、あえて探す必要あるのかな。
自分自身が、外注して大量製造大量販売にワクワクしない。それが楽に儲ける道だとしても。
今回、チョコロンブスのアマンドショコラを販売してくださってるアンジェさん。
販売が始まった時のメルマガを見てびっくり!
なんと全部試食されての〜ベスト1って、うれしすぎ〜。
そして、すでに追加2回オーダーいただいて送った。
もともとアンジェさんとお取引の話をしていた時に、気に入ってくださってるけど、卸の条件で合わなかった。なので私も、また来年製造体制を整えて新しい商品を出しますから、またその時によろしくお願いいたします、って終わってた。
そしたらその後、やっぱり試食した時の印象が強くとても美味しいから、チョコロンブスの条件で取引をとご連絡いただいた。
こんなことあるんだと大喜び。私も古くからユーザーの、あのアンジェさんなので。
きちんと価値を伝える努力をしよう。
書きながらいろいろまた考えたら、ここに行き着いた。
そうだ6月の展示商談会の募集も来てた。出るか。
リブランディングの方向性もすでに決まっている。
バレンタインに踊らされない、チョコのシーズン(冬)にしっかりと支持してもらえる商品として、今から頑張ろう。
そのための通年の製造計画もスタッフさんとたてよう。
よし、やること整理できた ^^
得居 裕江
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